オンラインボイトレの効果と成功事例

この2~3年で「リモートワーク」「配信ライブ」というキーワードを頻繁に見聞きするようになり、同時に「オンライン〇〇○」という言葉もネット上でよく目にする機会が一気に増えたと思います。

この記事をお読みいただいている方の中にも、コロナパンデミック以降「オンライン」でのミーティング、セミナー、レッスンなど、何かしら経験された方もおられるのではないでしょうか。

私の専門分野である「ボイストレーニング(ボーカルコーチ)」においても、「レッスンを申し込む方にとってのレッスンスタイルの選択肢の一つ」に定着してきたように感じます。

ネット上でも「オンラインレッスンのメリットデメリット」というキーワード一つで、沢山の記事を読めるほどになりました。

今回は、私のオンラインレッスン経験から色々思ったこと感じたことなどなど、そのいくつかをお伝えします。そして誰もが気になる「オンラインボイトレの効果の有り無し」についてなど、あなたがオンライン形式のレッスンを探される時の参考になればと思います。

まず、今回のタイトルになっているテーマですが、

【オンラインボイトレは本当に効果があるのか?】

この問いに対する私からの回答は、早速の結論になってしまいますが、

『あります!』

その結論に至る理由として、私と当アカデミーでの実例をお話ししていきます。

【オンラインボイトレによる成果の実例:1】

私がオンラインボイトレを始めたのは、コロナの2年前である2018年からでした。

きっかけは東京の仕事先(某大手プロダクション)のレッスン生の「音大受験対策(4ヶ月集中の強行スケジュール)」というレッスンオーダーへの対応策がきっかけでした。

相手は関東在住の高校生で、私は大阪~東京間を行ったり来たりのスケジュールでしたから、「東京滞在中のスタジオレッスンだけではレッスン数が足りな過ぎる」という問題の解決策として「大阪~東京間をオンラインで繋ぐ補習レッスン」としてオンラインボイトレを始めました。

やってみると結果は良い意味で予想と違い、毎回補習のレベルを大きく上回る成果(ほぼ通常レッスン同様)を、私もレッスン生もそれぞれに実感出来ました。

そのオンラインでの補習ボイトレの甲斐あって、おかげさまで4ヶ月後には本人からの「無事合格」の報告を受け取ることが出来ました。(歌唱実技試験においてはその年度受験者のトップだったそうです)

その後、その時のオンラインボイトレの話題がアカデミー内に広がって、既存レッスン生からもコロナ禍以前から「次回のレッスンは自宅からのオンラインでお願い出来ませんか?」というようなリクエストを少しずつ受けるようになり、もちろん2020年からのコロナからは、「緊急事態宣言」などあるごとにオンラインに切り替えて、ほぼ休みなしで皆さんレッスンを受けられました。

【オンラインボイトレによる成果の実例:2】

プロミュージシャン・プロアーティストの方々を担当する場合、普段のレッスンだけでなくレコーディングやステージの当日に「ウォームアップトレーニング(声出し)」のご依頼を受けることが多くあります。

私がトレーニングを担当させて頂いているアーティストの方にも、通常レッスン以外のオーダーとして『ツアー中、毎回のステージ前のウォーミングアップを、オンラインでお願いしたい』という要望がありますが、数ヶ月間にわたるコンサートツアー等の場合、

  • その日によってご本人のタイムスケジュールに空き時間がなかったり
  • ツアー先の地域によってはインターネット環境がひどかったり
  • 当日「声を出せる場所」(会場館内、近くのスタジオやホテルなど)を押さえられなかったり

など、どうしてもオンラインでのウォームアップトレーニングが出来ないまま本番に入るという日も出てきてしまいます。

「ウォームアップトレーニングが出来た日の本番」
「ウォームアップトレーニングが出来なかった日の本番」

その違いは「声を出す」アーティスト本人が当然一番実感するので、
ウォームアップが出来た日は、「最初から最後まで喉が楽だった」
ウォームアップが出来なかった日は、「後半の数曲で力んでしまって声がかなり危なかった」
などステージの後日に報告をもらうこともよくあります。

このような例は、一人のアーティストに限ったことではなく、担当させて頂いている複数のプロミュージシャン(スタジオミュージシャン、サポートミュージシャンなど)の方々からも同じような感想や報告をいただいています。

これらは、あくまでも私個人と当アカデミーの実例談であり、受講された個人個人の努力があって生み出された結果ではありますが、それらを差し引いて見ていただいても「トレーナーの指導のもとでキチンとやればオンラインボイトレは通常のボイトレ同様の効果はある」という結論にいたって良いのではないかと思います。

とは言え「オンラインボイトレは万能だ!」というわけでもなく、私の経験の中でもオンライン形式について「ここは問題なし」「しかしこういった部分でアクシデントの可能性あり」という点はいくつかあります。

メリットとデメリットという話ではないですが、その話題については次の記事でお話ししたいと思います。そちらも是非参考にしてください。

ということで、私の体験からの今回のテーマの結論は

「オンラインボイトレはキチンとやれば効果はある」

ということでした。

タプアヴォイスアカデミー
Takayoshi Makino