質の高いオンラインボイトレ完全ガイド
2020年以降、オンラインスタイルがあらゆる場面で活用されはじめ、この数年でスマホやアプリもそれらのニーズに対応すべく飛躍的に進化してきたと思います。
また、さまざまあるビデオ通話アプリの精度もボイストレーニングを実施できるだけのモノがいくつもリリースされてきています。
とは言っても「オンラインボイトレ」はあくまでもボイストレーニングなので、「友達とのビデオチャット」や「カフェからオンラインミーティングに参加」というような「スマホひとつあればボイトレもOK!」というわけにはいかない部分がどうしても出てきます。
ボイストレーニングで良い成果を出すためのポイントは「出来るかぎり音が聴き取りやすい環境でレッスンを受ける」ということです。
きちんとしたスクールやトレーナーであれば、あなたからのオンラインボイトレレッスンへの問い合わせや申し込みに対して「受講に向けて事前にこれだけはご準備お願いします」という案内があると思います。それは「トレーナーの声を聴き取りやすい状況でレッスンを受けてもらいたい」という理由から事前準備のお願いをするわけです。
もちろん、依頼するトレーナー、または申し込むレッスン内容(価格、レッスンレベルなど)によっては「事前準備の内容」に違いあると思いますが、いずれにしても最初に一度準備してしまえば、あとは毎回同じセッティングをすれば快適に質の高いオンラインボイトレを受けることが出来ます。少し手間に感じるかもしれませんが、ボイトレの成果を最大限にするためにも最初の準備はしっかり整えることをおすすめします!
参考までに、私のオンラインレッスンにお申込みいただいた方へご案内する「事前準備のお願い」の内容を書き出します。これからオンラインのボイトレを受けてみようかと考えている方はもちろん、すでにオンラインボイトレを始めている方もボイトレ受講の環境を整えるための参考にしてください。
①【オンラインボイトレのための事前準備:基本編】
(オンラインボイトレ、もしくはボイトレを初めて受ける人向け)
- 使用するスマホ、タブレット、PC(ウェブカメラ搭載)は2018年製以降のものを。(5G対応のスマホやタブレットならベストです)
※それ以前のデバイスの場合、ビデオ通話アプリが正常に動かない可能性が出てきます - 「Wi-Fi」か「5G」のインターネット回線
※4G回線の場合ビデオや音声が途切れたり固まったりする可能性があります - スマホ用スタンドもしくはカメラスタンド
(カメラの位置が顔の高さに合わせられるように) - ヘッドセットマイクもしくはイヤホンマイク
(ハウンリング防止のため) - ビデオ通話アプリのインストール
(Skypeかzoom:音質設定がシンプルで安定している理由からSkypeを推奨しています) - レッスンの時間は10分ほどゆとり持たせて。
(ネットの不具合などでレッスン時間が伸びる可能性があります)
出来るだけ手軽にオンラインレッスンを受けたいという方であれば、この事前準備でまったく問題ないと思います。
しかし、人によっては上記の準備内容では
「スマホでは先生の口元が見づらい」
「イヤホンマイクだと先生の声が聞き取りにくい時がある」
「自分の声もヘッドホンからしっかり聴きたい(モニターしたい)」
という感想や要望を持つ方もおられると思いますし、中には
「もっと細かな所まで分かりやすい指導を受けたい」
と思われる方もおられると思います。
このような方であれば、下記の準備内容を整えることで「直接対面式」とほぼ同レベルのボイストレーニングをオンラインでも受けられるようになります。
準備のために少々費用がかかりますが、上記の「基本編」の準備でのオンラインボイトレと下記の「上級編」の準備でのオンラインボイトレでは、ボイトレ後の成果を比較すると「上達の度合い」や「声の音色を聴き分け再現するスキルの向上」などに圧倒的な違いが出てきます。
②【オンラインボイトレのための事前準備:上級編】
(聴きづらさ見づらさの無い、質の高いオンラインボイトレを受けたい人向け)
基本編にある「ビデオ通話アプリのインストール」と「ゆとりを持った時間設定」は同様と考えていただき、それ以外に準備する内容として下記の項目になります。
- 光回線のインターネット回線
(40~50Mbps以上であればまったく問題なしです)
回線速度の測定サイト → https://fast.com/ja/ - 10インチ以上のタブレット、もしくはウェブカメラ搭載PC
(大きな画面を確保するため) - ビデオ通話用の照明ライト:LEDのリングライト等
(トレーナーがあなたの口元や表情筋の動きを的確に指導できるように) - オーディオインターフェイス
(タブレット or PCに自分のマイクを繋ぐため)
※1~2万円程度のもので十分ですが、タブレットを使うのかPCを使うのかで機種を選んでください。 - ヘッドホンもしくはイヤホン
(自分とトレーナーの声をしっかり聴くためと、ハウンリング防止のため) - マイク・マイクケーブル・マイクスタンド
(マイクは自分の声をしっかり聴くためと、マイクスタンドは立って(起立して)レッスンを受けるため)
【追記】
オーディオインターフェイス、ヘッドホン(イヤホン)、マイク(ケーブルやマイクスタンドも)の選び方については、あらためて別テーマの記事でお伝えしますので今回は省略いたします。
これらを取り揃えるのは大変そうに思うかもしれませんが、ネットで探せばすぐに手に入ります。ちなみに私がこのような機材を探すときはAmazonはもちろんですが、「サウンドハウス SOUND HOUSE」(音響・音楽機材の国内最大級のオンラインショップ)をよく使います。ものによってはAmazonよりも安い価格になっているものも見つかりますし、上記の品を探す際にもとても便利だと思います。
「サウンドハウス SOUND HOUSE」
https://www.soundhouse.co.jp
この「上級編」の準備でレッスンにのぞめば、映像も音質もストレスフリーな状態でのオンラインボイトレになりますから、直接対面でのレッスンとほぼ同等な「質の高いオンラインボイトレ」を受けることができます。
スマホやタブレットもしくはPCなどを使った「画面越しのボイストレーニング」あっても、発声や歌を上達させるプロセスや、やるべきエクササイズは変わることはありません。
ボイストレーニングの最中、とにかくやるべきことは
『トレーナーの声の響きをよく聴き取って、同じようにマネる』
『トレーナーが声を発する時の動作をよく見て、同じようにマネる』
極端な言い方で言ってしまえば、これがボイストレーニングの中で常に行われていることの大半です。
だからこそ、オンラインボイトレでは『あなたがトレーナーの声や動作を可能な限り見聴きしやすい環境を確保するための準備』が大切なポイントになります。その具体的な内容が今回の「基本編」「上級編」だということです。
直接対面式のボイトレであれば「少しでも体調(喉や鼻の状態含む)を整える」という準備は当然のことで、オンライン形式のボイトレであれば「少しでもトレーナーの音声や動作を見聴きしやすい環境を整える」ということが直接対面式のそれと同等の準備になると思います。
とは言え、今回お伝えした「準備内容」がすべて整わない場合があったとしても、大体のトレーナーはその状況や環境に合わせて可能な限り対応してくれるはずです。
「ネット回線のスピードが遅くてレッスン生の音声がたまに切れ切れになる」「レッスン受講者のカメラ画像が頻繁に乱れる」ということくらいであれば、完全にビデオ通話がフリーズしないかぎり経験を積んだトレーナーであればその状況下でのボイトレ成果は出せます。
ですから、「オンラインボイトレに興味はあるけど戸惑っている」という方や、「受けた経験はあるけど、こんな準備はしていなかった」という方は是非、今回お伝えした内容を参考に「聴きやすくする準備」をした上でオンラインボイトレを受けてみてください。きっと想像以上に快適で成果を実感できるボイストレーニングが受けられると思います。
タプアヴォイスアカデミー
Takayoshi Makino