ボイストレーニングで英語の歌を上手に歌う:ノドを開く練習の重要性

洋楽を上手く歌いたい方へ
「英語の歌(洋楽)を上手く歌えるようになりたい!」
という要望は、ボイストレーニングを受ける方々に多く見られます。当アカデミーのレッスンを申し込まれる方々にも多数おられます。
実は、正しいボイストレーニングは英語発音の矯正に非常に有効です。正しい発声を身につけることで、発音が改善され、その結果として「英語の歌(洋楽)」が自然な発音で歌えるようになります。
もちろん「英語の歌(英語の発音)」が上手くなるためには、発音の仕方だけでなく「英語発音を聴き取る力を上げる練習」も必要なのですが、ここでは、英語の歌を自然にスムーズに歌うためのポイントや、日本語と英語の発音の根本的な違いについて解説します。
英語と日本語の発音の根本的な違い
カタカナ英語の歌い方から卒業するために、まず押さえておくべきポイントをお伝えします。
それは、英語と日本語では発声の仕組みに大きな違いがあるということです。
英語は「響き(共鳴)」を重要視する言語で、咽頭(のど)や口腔(口の奥)、鼻腔(~上咽頭)の空間を広げて、その空間を共鳴させることで独特の深い響きを生み出します。
一方、日本語は共鳴音を響かせる必要が少なく、口腔や咽頭をあまり大きく開かずに発声することがほとんどです。このため、日本語発声のまま英語の歌を歌うと、英語に必要な共鳴音の響きが足りず、聴く側にとって平坦な印象になってしまったり、カタカナの羅列のような発音になってしまうことがあります。
洋楽を歌うためのポイント
次に、英語の歌(洋楽)を自然にスムーズに歌えるようになるための最初の練習ポイントを3つお伝えします。
1.ノドを開く(オープンスロート)意識を持つ
「ノドを開く」という意識は、洋楽を自然に歌うために非常に重要です。
ノドを開く(オープンスロート:Open Throat)での発声は、喉や口腔奥の空間をしっかりと開き、深い響きを保つ発声方法です。これは、洋楽の歌唱だけでなく、ボイストレーニング全般においても「ノドを開く(オープンスロート)」は基本中の基本であり非常に重要なポイントです。
英語特有の発音はこの空間を活かして作られるため、ボイストレーニングを通じてノドを開ける技術を身につけると、発音矯正の効果も得られます。なので、洋楽を歌うときには特に「オープンスロートでの発声」を意識することで、聴き手に自然に伝わる英語発音が作れます。
2.響きを作る「空間」を意識する
英語は、咽頭と口腔の共鳴空間を活かして言葉を形成する「響かせる」言語です。各単語やフレーズに独特の響きを加え、豊かな発音を生み出します。
日本語は共鳴空間が小さくても発音が成立するため、英語の歌に比べ響きが少なく、狭い共鳴空間のまま洋楽を歌うと響きが平坦に感じることがあります。
共鳴空間の響きを意識する発声トレーニングで、自然な英語の響きを習得でき、発音矯正にもつながります。
3.発声の基礎を意識してトレーニングを重ねる
ノドをひらいた状態を維持するためには、発声の基礎練習が大切です。共鳴音を意識した発声方法を習得することで、歌声に深みと豊かさが生まれます。
逆にノドを閉じたまま歌うと、響きが小さくなり、英語の歌が「カタカナ発音」に聴こえてしまいやすくなります。
つまり、ボイストレーニングで「オープンスロート」を含む発声の基礎を習得することで、英語の発音矯正にも様々なメリットを生み出します。
発声練習と歌唱練習での注意点
英語の歌を歌う際、日本語の日常会話的な発声法をそのまま使わないように注意しましょう。
共鳴空間が狭いままの発声では、英語の響きが不十分になり、無理に英語らしく歌おうとするとノド以外にも舌や顎などの部位に力みが加わり、声帯に負担がかかりる場合もあります。
正しい発声方法でノドを開き、共鳴腔の響きを感じながら練習することが発音矯正においても重要です。
発声と発音改善のためにプロのサポートを受けよう
発声や発音の矯正を自己流で行うのは難しいものです。より確実な解決方法は、信頼できるボイストレーナーのサポートを受けることです。そうすることで正しい発声と発声の感覚が身につきやすくなります。ボイストレーニングを通してトレーナーからの客観的な診断とフィードバックを取り入れながら発音矯正に取り組むと、より効果的に上達できます。
■まとめ
「英語の歌を上手に歌いたい」と思ったら、まず「ノドを開く練習」から始めましょう。
正しい発声と発音の基礎をボイストレーニングで身につけることで、自然と英語発音の矯正につながり、英語の歌がより自然に、豊かに響くようになります。
ぜひ、信頼できるボイストレーナーの指導のもと、「ノドを開く発声」を練習してみてください。

タプアヴォイスアカデミー
Takayoshi Makino