舌の練習で劇的に上達!洋楽を上手に歌う方法

英語発音:舌の使い方を見直そう

日本人は歌を歌う際、「舌の使い方」に対して無関心になりがちです。ボイストレーニングを受けている方であっても、英語の歌を歌うと次のような問題がよく起こるのではないでしょうか?

・変な巻き舌になる

・巻き舌にしてはいけない時も舌を巻いてしまう

・口の奥で舌が団子のように縮み上がる

このアクションにより、「英語っぽいけど、なんか違う」と感じられることが多いと思います。

英会話の場面でも同様で、

「カタカナ英語のように聞こえる」

「欧米人に聞き取ってもらえない」

などの問題も、舌の使い方が原因であることが多いです。

では、なぜこのような問題が起こるのでしょうか?
そのほとんどの原因は、

「声を出すときに舌に力みが入ってしまう」

ということです。

この問題を解決するために、まず押さえておきたいポイントがあります。それは、

母音(日本語だとアイウエオ)の発声で舌先を使うことはありません。(R発音が入 る長母音は例外です)

にもかかわらず、母音を発音する最中に変な舌の動きをさせたり、舌を宙に浮かせたりすると、母音の音を決定づける口腔内の形が崩れてしまい、違う言葉(サウンド)のように聞こえてしまいます。

母音のサウンドは口腔内および咽頭内のフォーム(形状)によって作られます。

英語の母音の数はアメリカ英語とイギリス英語を合わせると20種類(方言や地域や民族の発音習慣によってはそれ以上)あり、日本語よりも多いです。そのため、口腔内のフォームの少しのブレが、英語の歌詞の母音発音に大きな影響を与えてしまいます。

口腔内の天井に当たる部分が「上アゴ」、そして床に当たる部分が「舌を含む下アゴ」と考えれば、

  • 舌が宙に浮く
  • 舌先が尖るほど細くなる
  • 舌が奥に引っ込み団子のようになる

ということが、どれほど口腔内の形を歪めてしまうかが理解できると思います。

舌が不必要に立ち上がる、または丸まると、口腔内の形状が歪み、その結果、母音の響きや音量が正常に生成されず、英語本来の響きを得られなくなるのです。

舌の力みを取り除く練習

さらに付け加えるとすれば、
歌うという行為は、会話以上に音階とリズムを細かく追いかける必要があります。母音の発音を会話以上に正しくしなければ、声の音量も下がり、無意識にアゴや喉周辺に力みを入れてしまい、結果として喉を締め固めて音域も狭まります。

  • 歌っていると息苦しくなる
  • 喉やアゴが疲れる
  • 邦楽で出ている高音が出しづらくなる
  • 声が通らなくなる(声がこもる)

これらの原因も「舌が力んで固まっている=喉を締め固めてしまっている」ことが多いです。

では、どうして不必要な時に舌が動いてしまうのか?(力が入ってしまうのか?)

理由は「舌の筋力が弱く、舌を正しく動かせない」からです。

理由は「舌の筋力が弱く、舌を正しく動かせない」からです。

力が弱いと、全力で力みが入ってしまい、一度力が入ると瞬時に脱力できません。

また、舌を動かすことに慣れていないために、アゴを動かすと舌もつられて動いてしまいます。

使わないから力が弱くなる、力が無いから力加減や動作コントロールを細やかにできないわけです。

英語発音や英語の歌を歌う場合、舌は日本語発音以上に細やかに使います。

母音の発音だけでなく、

舌先の動きが重要な「R、L、TH」

舌の奥側の動きが重要な「K、G」

舌全体の力が必要な「T、D、N」

など、子音を作り出すにも正しい舌の働きが必要です

しかし、舌の筋力が弱いと動きがついて行かず、舌はもちろん喉も力んで硬直し、声が出しづらくなります。

洋楽の歌唱の上達を目指すなら、

まずは「舌を脱力させる」「無駄に動かさない」という状態の母音発声に慣れることが重要です。

英語独特の子音の発声はそのあとで十分です。

舌の位置を安定させて声が出せるようになるだけでも洋楽はかなり歌いやすくなり、母音発音も良くなります。
もちろん、邦楽の歌も格段に良くなります。

ミックスボイスと同じくらい知られている「リップロール」という練習方法も、舌先を下の前歯の裏に付けたままの練習が出来た上で取り組むと正しいエクササイズ成果が出ます。

また、舌の力加減のコントロールを良くするためのエクササイズとして、「タングトリル(巻き舌をしながら声を出す)」がありますが、タングトリルを行う際は「トリルの周期が速く細かくならないように」を意識してください。

トリルの周期が速く細かくなるのは「舌に必要以上の力みが入っている」証拠です。

リップロール、タングトリルは「とにかく舌をリラックスさせること」がポイントです。

※ロサンゼルスで「リップロール&タングトリル」を舌の位置まで指導され、以来25年以上、その通りに指導し続けている私がそう言い切ります。

舌のトレーニングで洋楽は上手くなる

今回の結論は、

「舌の正しい扱い方が出来るようになると、洋楽の歌唱は格段に良くなる」ということです。

ただし、舌先だけでなく「舌の奥(舌根)」や「舌の両脇部分」についても細かなポイントがあります。

「きちんと洋楽が歌えるようになりたい」

「海外シンガーのように舌を器用に扱えるようになりたい」

という方は、一人で試行錯誤せず、気軽にタプアの体験レッスン(発声診断)を受けてみてください。

現状のあなたの発声時の舌の状態をチェックし、母音だけでなく、子音についての舌の正しい位置や使い方、その他具体的なエクササイズ方法も細かくレクチャーします。 直接タプアにお越しいただくリアル対面式だけでなくオンラインでの発声診断も可能です。

ぜひ、洋楽の上達に向けて、ご自身の「舌のトレーニング」チャレンジしてみてください!

タプアヴォイスアカデミー
Takayoshi Makino