ミックスボイスの正しい出し方とは
そのミックスボイス、ちょっと間違ってるかも知れません

チェストボイス ミックスボイス ヘッドボイス

タプアが開校した1997年当時の日本国内では、このような声の概念や名称はほとんどの方が聞き覚えのない言葉で、当時のボーカルレッスン(ボイストレーニングという名称もほぼ無く、ほとんどはボーカルレッスンという呼び名が主流でした)で使用されていた声の区別は「地声、裏声」くらいしかありませんでした。

そんな時代に私がレッスンで「ミックスボイス」という名称を口にしても、初レッスンの受講生は「それなんですか?」という方がほぼ全員。

1997年頃の日本のボーカル事情は、本当にそんな状況でした。

しかし、昨今では日本でも「チェスト、ミックス、ヘッド」という声の三つの名称はかなり浸透してきたようで、特に「ミックスボイス」という単語はシンガーを目指していない方でも聞き覚えはあるというくらいポピュラーになっているかもしれません。

「それなんですか?」という表情の方々へのレッスンから始まって、20年以上「チェスト、ミックス、ヘッド」という声の響かせ方を指導してきた立場として、とても感慨深く、大変嬉しく思います。

ただ、少々残念なのは、日本の音楽シーンにおいて「本当のミックスボイス」の響きを耳にする機会はまだまだ少ない気がします。

当アカデミーに来られる方の中にもレッスンの際に「ミックスボイスはもう習いました!」 と自己申告される方が何人もおられるのですが、いざレッスンを始めてみると・・・

  • 全く間違った声の出し方をしている
     (残念ながらミックスボイスではない声の響き)
  • ミックスボイスのもともとの概念自体を勘違いしている

という方がまだまだ大変多いという現実があります。

そのほとんどの方が持っておられる(学ばれた?)ミックスボイスの声のイメージや出し方は

「鼻(鼻骨)のあたりに音を寄せて(当てて)響かせる」

もしくは

「鼻から声を抜くようにする」

という感じのようです。

もしかするとこの文章を読まれている方の中にも同じように解釈して、そのように声を出していると方もおられるかもしれません。

たしかに、おおざっぱに言えば、鼻もミックスボイスの響きを作るために大事な部分ではある のですが、本来響かせるべき位置を厳密に言うと

「鼻ではなく、鼻腔のまだ後ろの上咽頭という空間の響き」

が本当のミックスボイスを出すための大切なスポットです。

そして、正しいミックスボイスの響きを作るためには、さらに重要な条件があります。

それは・・・

「チェストボイス」

※チェストボイスについては「チェストボイス」にテーマを絞って他でお話ししていますので、詳しくはそちらをお読み下さい。

結論から言えば、

「正しいチェストボイスが鳴らせていなければ正しいミックスボイスの響きにはならない」

です。

さらに付け加えるとすれば、

「チェストボイスがあってミックスボイスが鳴る」

「チェストボイスからヘッドボイスへの移行がスムーズかつ音量が変わることなく出来る発声であれば、移行の途中でおのずとミックスボイスの響きが出ている」

です。

これまでのトレーナー経験の中で

「ミックスボイスを(だけを)習得したい!」

という要望を持った方も沢山来られましたが、お話ししたとおり

「まずはチェストボイスの響きから・・・」

とレッスンを始めると

「チェストボイスではなくて、ミックスボイスを出せるようになりたいんです!」

「いやいや、ミックスボイスの響きを作るためにチェストボイスの響きが重要なので。。。」

と言うような会話になることもよくあります。

もちろん、このような方であっても、きちんと解説して納得いただいてミックスボイスの響きを出せるように指導していくのですが(笑)

ミックスボイスの響きを出すことはとても単純で、意外に皆さんは日常でミックスボイスの響きを出しています。

たとえば、

何か疑問に思うことに気付いた時に「う~~ん??」と尻上がりに音を高くして声に出す場面があると思います。

その時の「尻上がりに高く出した時の声」はミックスボイスの響きになっているのです。

それ以外であれば、

あなたが鼻歌で歌を歌っている時に「声がひっくり返る感覚はあまりない」というのであれば、その時の発声はミックスボイスの響きに近づいているはずです。

ただ、歌う場面で肝心なのは、鼻歌の時のような感覚(出し方)のまま、しっかりマイクに乗る音圧に声を増幅させても声をひっくり返らせず歌えるかどうか?

つまり、しっかりとしたミックスボイスの響きが出せれば

  • 声のひっくり返ることなく
  • 中~高音域でノドを力ませることなく
  • ラクに力強い声で歌えるようになる

それがミックスボイスが出せている時の発声の感覚です。

たとえ力強い高い声を出していてもノドに力みが入る感覚はミックスボイスにはあ り得ないのです。

「ミックスボイスという発声法をマスターしよう」

と考えるよりも、

「ミックスボイスが出る発声法をマスターしよう」

と考えた方が正しく、そのための練習によって、歌を歌っていてもノドが疲れることも枯れることも軽減し、さらにはノドのケガ(声帯結節や声帯ポリープ)も避けられます。

その結果として「10年も20年も音域や声質が衰えない」という歌声になるのです。

あらためて、ミックスボイスという名称の意味(語源?)をお話しすれば

「チェストとヘッドの響きをミックスさせるからミックスボイスと言うんだよ」

これが、25年ほど前、私がロサンゼルスでトレーナーから直接教えてもらったミックスボイスという響きの意味です。

とは言え、この言葉だけを頼りに自主トレや自己判断で進めていく「独学トレーニング」でマスターすることはかなり困難だと思います。

その理由は、

「今の自分の声の出し方がミックスボイスにつながる発声法になっているかどうか?どう判断すればいい?」

という考えに誰もが行き着いてしまうのです。

つまり未経験の自分が未経験のことをジャッジすることは、誰でも出来なくて当然だということです。

独学を続けるよりも、一日も早くプロのボイストレーナー(発声指導を専業としているトレーナー)のレッスンを通してご自身の発声をジャッジしてもらうことが、正しくミックスボイスを実感し体得できる最短最速で唯一の方法だと言えます。

その取り組みこそが「ボイストレーニング」であり、私たち「ボイストレーナー」の役目でもあります。

「本当のミックスボイスはどんな声なのか?」

「本当のミックスボイスの響きが出るとどんな感覚なのか?」

もしかすると、あなたが初めて体感し耳にする「自分の声」かもしれません。

当アカデミーの体験レッスン(発声診断)でもそれを実体験していただけますので、本当のミックスボイスの響きを体感、習得したいという方はご遠慮なくお申し込みください。

体験レッスンも通常レッスンと同様、直接タプアにお越しいただくリアル対面式だけでなくSkypeやZoomでのオンラインでの発声診断(受講)も可能です。

せんえつながら私もプロのボイストレーナーの一人として、ご指名いただけばいつでも「ミックスボイスを引き出すお手伝い」しっかりさせていただきます。

一人でも多くの人に「正しいミックスボイスを響かせて歌をラクに歌う」という感 覚を得てもらいたいと願っています。

タプアヴォイスアカデミー
Takayoshi Makino