洋楽が上手くなる!呼吸法と発声のポイント
今回が「洋楽(英語の歌)を上手く歌うためのポイント」全5回の最終項となりますが、テーマは声を発する以前の「息(呼吸)」です。
留学などで英会話を実践的に取り組んだ方は体験されていることだと思いますが、英語は日本語以上に息を多く使います。
今回のテーマ「息(呼吸)」は英語の歌の上達に重要だ」という話しをするために、英語と日本語の発音の違いについてお話ししなければいけません。
まず、英語の発音は日本語に比べ種類が多いです。
単語ひとつの発音もさることながら、「apple」の「ア」と、「about 」の「ア」は、発音(音色)が違うように、単音ひとつにしても、発音(音色)が数種類あります。
そして根本的に日本語との違いは、
『英語はいくつかの単語を繋げてひとつの言葉のフレーズ(センテンス)として口に出している』
ということです。
たとえば、日本語で
「今日はいいお天気ですね」
と声に出して言うと
・キョー
・ワ
・イー
・オテンキ
・デスネ
というような発音に分割して口に出していますが、
英語の場合、 たとえば
「Have a good day」
を声に出すと
・ハヴァ
・グッデイ
と日本語に比べ音の分割は少ないです。
つまり、2単語以上を途切らせずに発音することが通常で、1センテンスで声を出す(息を吐く)時間は日本語よりも長くなるのです。
「over and over」
歌詞でよく使われそうなフレーズですが、英語発音に無理矢理カタカナを当てはめると
「オーヴァーエンドォーヴァー」(エンドーヴァーの「ド」は子音は小さく母音をハッキリさせるように発音します)
という感じになり、ハッキリ音を(吐く息を)切る箇所はどこにもありません。
そして、overの「オー」の発音は口腔内とノドを大きく縦に開けて音を作るので、日本語発音の「おー」と比べると使う息の量は多くなります。
こんな感じで日本語と英語では、声に出す時の「吐く息の量」に違いがあるのです。
さらに音程の高低や音の長さを様々コントロールする「歌」となれば、会話以上に吐く息の量は必要になります。
この「吐く息の量」が多くなければネイティブ発音でのベルティングボイスやヘッドボイスもミックスボイスもフェイクフレーズもあの響きは出せないのです。
逆の言い方をすれば、たっぷりのブレス量をつかったオープンスロートの発声が出来る様になれば英語の歌は劇的に上手く歌えるようになります。
もちろん、正しい発音矯正もしなければいけませんが、発音矯正もたっぷりのブレスを吐ける人の方が改善は早いです。
この「たっぷりとした息を強く長く」吐けるようになる為に、発声の基本と言われる「腹式呼吸」が重要になってくるわけです。
ただ残念なことに、この「腹式呼吸」についてはあまりにも誤った解釈ややり方が蔓延しています。
しかし腹式呼吸は普段の生活で誰もがやっていることです。
あなたが声を出して笑った時、
クシャミをする時、
咳をする時
その息の吐き方は腹式呼吸になっています。
それをヒントに正しい腹式呼吸を模索して体得して下さい。
腹式呼吸も話せば長くなるので、機会があればまたテーマにしてお話しするかもしれません。
以上、が「洋楽(英語の歌)を上手く歌うため」のおおまかな、本当におおまかなポイントです。
私が実際のマンツーマンレッスンでエクササイズを施せば45分程で解決させてしまえる事なのですが、文字におこすとこんな長編になってしまいました(笑)
長編の文章になり申し訳なかったですが、既になにかしらのボイストレーニングに取り組んでいる方にとって修正ヒント、矯正ヒントにしてもらえればと思います。
タプアヴォイスアカデミー
Takayoshi Makino