カタカナ発音を卒業!洋楽をネイティブ風に歌うアゴの使い方

力まないことが良い発声のカギ
発声の基本として、私がレッスンで常に伝えている大切なポイントの一つは「力まないこと」です。
特に洋楽を歌う際には、発音や声の響きにおいて、この「力まないこと」がさらに重要になります。
力みをなくすべき4つのポイント
具体的に力みをなくすべき箇所は以下の4つです。
- 1.ノド
- 2.舌
- 3.首
- 4.アゴ
中でも「アゴ」は特に重要です。
ここで言う「アゴ」とは、耳の下から始まる「下アゴ全体(Jaw:ジョー)」を指し、前歯の真下の「アゴ先」ではありません。
ちなみに、英語では下アゴ全体を「Jaw:ジョー」、アゴ先の部位を「Chin:チン」と言います。
下アゴ全体の力みが発音に与える影響
下アゴをリラックスさせるメリット
下アゴの力みを抜くことには以下の効果があります。
- 声の響きをコントロールしやすくなる
- 英語発音に必要な口腔内スペースを確保できる
つまり、下アゴ(Jaw:ジョー)の力みを抜くことが、声の響きと英語発音の改善に直結します。
下アゴが力むことで生じるデメリット
逆に下アゴに力みが入ると、以下の問題がおこりやすくなります。
- 口が正常に開かなくなる
- 舌の付け根に力みが入り、口腔内や咽頭の共鳴スペースが狭くなる
- 正しい英語の発音が響かず、洋楽特有のフロー感(発音のつながり)が失われる
結果として、英語の歌詞がカタカナっぽく聞こえてしまう原因になります。
アゴの力を抜くための具体的な方法
では、下アゴの力みを防ぐにはどうすれば良いのでしょうか?ポイントは「正しく下アゴを動かす」ことです。
正しい下アゴの動き
- 1.脱力させて下に落とす
- 下アゴは引力に逆らわず、耳の下の付け根から全体を自然に垂直に落とすようなイメージで動かします。
- 2.ガムを噛む動きで自然な開閉の感覚をつかむ
- 唇を閉じてガムを噛むような動きをすることで、下アゴがリラックスした自然な状態になります。
- 3.口を半開きにする練習
- 奥歯を噛み合わせずに口を半開きにしてみましょう。アゴを落とす感覚を掴むことができます。
これらの練習を取り入れることで、口腔内の共鳴スペースが確保され、良い発声フォームが整います。
英語発音には矯正トレーニングが必要
英会話ができることと、正しい発音で歌えることは別物です。つまり、英会話ができなくても、正しい発音で洋楽を歌うことは可能です。
ボイストレーニングの重要性
英語発音や洋楽の歌唱スキルを向上させるには、正しい発音矯正を含むボイストレーニングが効果的です。
私自身も10代の頃から英語の曲を歌ってきましたが、初めて師匠であるビリー・パーネル氏のレッスンを受けた際に、英会話がほとんどできないままでも、多くの誤りを指摘され、具体的な矯正指導を受けました。この経験から、日本の英語教育が生み出す発音の思い込み(ジャパニーズイングリッシュ)を修正する必要性を痛感しました。
まとめ:まずは自分のアゴの動きをチェック
洋楽を上手に歌いたいなら、まず自分の下アゴの動きを確認しましょう。
海外アーティストのMVやライブ映像を見て、アーティストの「歌っているときの口の動き(下アゴの動き)」を参考にすると効果的です。
彼らの「力を抜いた正しい下アゴの動き方」をまねることで、歌声がより自然に響くようになります。
もし違和感や不自由さを感じる場合は、英語の発音矯正を含むボイストレーニングを検討することをおすすめします。
下アゴの使い方を変えるだけで、あなたの歌声が洋楽らしい響きに大きく近づくはずです。

タプアヴォイスアカデミー
Takayoshi Makino