【英語の歌の上達法 Vol.3】下アゴを落とす
アゴの動きで発音は変わる!

日頃からレッスンの中で常に言っている事ですが、良い発声のための大切なポイントを一言で表すとすれば

「力まないこと」

になります。

コレは洋楽の歌を歌う時には、発音や声の音色(響き)においてとても大切なポイントになります。

では、具体的にどこが力まなければ良いのか?

大きく分けて4つあります。

「ノド」「舌」「首」

そして、「アゴ」です。

「アゴ」という名称を耳にすると「前歯の真下にあるアゴ先」をイメージされる方が多いかも知れませんが、ここで言う「アゴ」は耳の真下部分(エラ)から始まる「下アゴ全体」のことを指します。

英語でいうと「Jaw:ジョー」

そう!あの、大きなサメが出てくる映画「Jaws」の「Jaw:ジョー=アゴ」です。
※ちなみに下アゴの先部分のことは「Chin:チン」と言います。ボクシングに詳しい方はご存知かと思います。

この「Jaw:アゴ」(ここでは下アゴ側を指します)の力みを抜くことが、

  • 声の響きのコントロール
  • 洋楽(英語発音)を歌う為の口腔内のスペースの確保

という事において、とても大切になってきます。

では、下アゴに力みが入ってしまう事でどういうデメリットが出てくるのか?

  1. 口が正常に開かなくなる
  2. 舌の付け根周辺に力みが入る
  3. 舌の付け根が力む事で、口腔内や咽頭のスペースが狭くなる

結果、英語発音に重要な口腔内も咽頭内も正しいフォームが保てず、正しい英語の発音(サウンド)が響かず洋楽独特のフロー感(発音のつながり感)が出なくなります。つまり英語ではなくカタカナに聴こえるわけです。

では、下アゴに力みが入らないようにするにはどうすれば良いのか?

ポイントは

「正しく下アゴを動かす」

ということです。

もう少し具体的にいうと、正しい下アゴの動きは

「脱力させて下に落とす」

というイメージの動かし方です。

唇を閉じてガムを噛む動きをすれば、下アゴは自然な動きになっていて、 脱力した状態で口を開けているはずです。

また、アゴの力を抜いて口を「半開き」にすると、アゴを落とすように開ける感覚が掴めます。

「下アゴ全体を脱力させ、引力に逆らわず垂直に落とすようにイメージで口を開ける」

この動きが本来の「口を開けるときの下アゴの軌道」であり、この開け方で確保できる口腔内の形状が良い発声フォームであり、洋楽(英語発音)をスムーズに歌うための大切なポイントになります。

文章だけではなかなか「正しい下アゴの動かし方」や「口腔内の形状(フォーム)」はお伝えしきれませんが、とにかく重要なことは舌と同様に「力を抜く」ということです。

下アゴは舌やノド(中・下咽頭)と繋がっている部位なので、動かし方(軌道)を間違うと途端に英語の歌詞が英語に聞こえなくなってしまううえ、歌っている本人もとても歌いづらくなってしまいます。

英語を第一母国語としている欧米人でも歌になると下アゴに力みが入る人がいるくらいですから、英語発音に不慣れな日本人であればなおさらです。

先の文で書かせていただいたとおり、下アゴの動かし方(正しい軌道)や口の開き方やその時のフォームなどは言葉での説明や文章だけではきちんと再現するのはなかなか難しいと思います。
ましてや、英語の歌の独特なフロー感(言葉のつながり感)自分の耳で聴き取った音(声)を、「日本で生まれ育ち英語サウンドを日常でほとんど触れることがない」私たちが自分の耳の聴き取りだけで再現し習得しようとするのはかなりのことかと思います。

私自身においても、10代の頃から英語の曲を散々歌ってきてましたが、初めて師匠であるビリーパーネルのレッスンを受けた際に、さまざまな箇所を細かく指摘され、かなり具体的な矯正指導を受けました。日本独特の英語教育からの思い込みでの発音と歌い方だったんだと、「目からウロコ状態」で発音、発声の矯正をされたのを鮮明に覚えています。

あくまでも私個人の経験上の見解ですが、

英語の歌の上達を目指しているのであれば、
この「下アゴの動かし方、口の開け方」の部分においては正しい発音矯正(英会話が出来るのと正しい発音ができるのは別)を含んだボイストレーニングを受けることが唯一有効な解決策だと思います。

当アカデミーの体験レッスン(発声診断)でも、目に見えるかたちで具体的に口の開け方の修正をさせていただけますので、ご希望であれば是非一度受講してみてください。
直接タプアにお越しいただくリアル対面式だけでなくSkypeやZoomでのオンラインでの発声診断(受講)も可能です。

まず一度はご自身のアゴの動きをチェックしてみて下さい!

タプアヴォイスアカデミー
Takayoshi Makino